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鉄筋挿入工とは?熊本の無足場工法で安全・迅速な法面補強を実現

近年、熊本県球磨郡を中心とした九州地方では、豪雨災害の増加により法面の安全対策が重要な課題となっています。株式会社エーステックは、法面工事・落石対策関連工事を専門とし、熊本県球磨郡を拠点に人吉市など近隣を中心に九州全域で事業を展開している専門業者です。特に鉄筋挿入工(無足場工法)における豊富な実績により、危険な斜面での安全かつ迅速な施工を実現しています。
法面工事 

鉄筋挿入工の基本概念と技術的特徴

鉄筋挿入工は、比較的短い棒状補強材を地山に配置し、主に補強材の引張力によって切土のり面や斜面を補強する工法です。グラウンドアンカー工と異なり、施工時に緊張力(プレストレス力)の導入は行われないため、比較的簡易な施工が可能です。
 

鉄筋挿入工の基本構造

鉄筋挿入工の基本構造は以下の要素で構成されています。
 

補強材

材料:異形棒鋼などの鋼材

長さ:2~5m(50cm単位で設定)

機能:引張補強効果により斜面安定化

注入材

材料:セメントミルク

役割:補強材と地山の固定

特徴:周面摩擦抵抗により定着

頭部・のり面工

構成:プレートとナット

効果:のり面工との一体化

機能:補強材の引張補強効果増大

「参照:斜面防災対策技術協会」
 

適用範囲と設計基準

鉄筋挿入工が適用可能な必要抑止力は300kN/m以下が目安とされており、崩壊規模が比較的小さい斜面に効果的です。大規模な崩壊が想定される斜面では、グラウンドアンカー工等の検討が必要となります。
 

重要ポイント
鉄筋挿入工は、文献によって「ロックボルト工」「切補強土工」「地山補強土工」などの名称でも呼ばれます。国内における基準類の整備はNEXCO(旧道路公団)によって先行して行われており、多くの基準書等に引用されている実績のある工法です。

 

無足場工法の安全性と作業効率

無足場工法とは、足場を組み立てずに修繕工事や改修工事を行う施工方法です。鉄筋挿入工において無足場工法を採用することで、従来の足場工法では困難な急傾斜地や狭小地での施工が可能となります。
 

無足場工法の種類と特徴

ロープアクセス工法

特徴:産業用ロープとフルハーネス使用

安全性:2本のロープで二重安全対策

機動性:狭い場所でも作業可能

ゴンドラ工法

特徴:屋上から吊り下げた可動式ゴンドラ

安定性:複数人同時作業可能

効率性:資材運搬も同時実施

「参照:無足場工法の特徴解説」
 

安全管理と品質確保

無足場工法では、作業時のロープにメインロープと補助ロープの2本を使用し、工具はすべて落下防止のカールコードで接続します。また、必要箇所には警備員の配置や、メッシュシートの設置を行い、安全マニュアルに従って細心の注意を払って作業を実施します。
 

 

熊本県の地質特性と鉄筋挿入工の適用

阿蘇山
熊本県、特に球磨郡・人吉市周辺は、阿蘇火山活動による火砕流台地が広く分布しており、独特な地質条件を持っています。この地域では阿蘇カルデラ噴火による火砕流堆積物が厚く堆積し、緩やかに波打つ平原を形成しています。
 

球磨川流域の地質的特徴

球磨川流域は、阿蘇火山活動の影響を受けた特殊な地質構造を持ちます。火砕流台地の形成により、表層部は比較的軟弱な火山灰土壌となっており、豪雨時には法面崩壊のリスクが高まります。このような地質条件において、鉄筋挿入工は地山と補強材の相互作用により効果的な斜面安定化を実現します。
 

気候条件と施工計画

熊本県では梅雨期(6月~7月)と台風シーズン(8月~10月)に集中豪雨が発生しやすく、法面工事の施工時期選定が重要です。鉄筋挿入工の無足場工法では、天候に左右されにくい作業特性により、緊急対応工事にも迅速に対応できる利点があります。
 

地質調査項目

土質試験:含水比、粒度分布

強度試験:一軸圧縮強度

透水試験:透水係数測定

摩擦抵抗評価

計算式法:理論値による算定

推定値法:地盤区分からの推定

現場試験:引抜試験による確認

「参照:鉄筋挿入工設計指針」
 

コスト効率と工期短縮のメリット

無足場工法による鉄筋挿入工は、従来の足場工法と比較して大幅なコスト削減と工期短縮を実現します。足場の組立・解体工事が不要となるため、直接工事費のみで施工が可能です。
 

経済的効果の詳細分析

足場設置には一般的に3名体制で1日程度、解体にも半日程度の工期が必要です。さらに周辺住民への説明や許可取得期間も考慮すると、相当な時間とコストが発生します。無足場工法では、これらの付帯工事が一切不要となり、足場工法と比較して2~5割のコスト削減が可能です。
 

狭小地・急傾斜地での優位性

熊本県の山間部では、建物間距離が狭く足場設置が困難な現場が多数存在します。足場設置には60cm以上の幅が必要ですが、無足場工法では人が通れるスペース(約40cm)があれば作業が可能です。これにより、従来は施工困難とされた立地での法面補強工事が実現できます。
 

コスト削減例
戸建て住宅規模(30坪程度)の法面工事において、足場設置費用(組立・解体・材料費)が不要となることで、総工事費の20~30%のコスト削減が実現できます。また、工期も大幅に短縮され、緊急性の高い災害復旧工事にも迅速に対応可能です。

 

九州地域における技術的優位性と将来展望

九州地方は地震活動が活発で、近年は集中豪雨による土砂災害も頻発しています。このような自然災害リスクの高い地域において、鉄筋挿入工による無足場工法は、迅速な初期対応と長期的な斜面安定化の両方を実現する重要な技術となっています。
 

災害対応における機動性

平成30年7月豪雨災害では、熊本県内で多数の法面崩壊が発生しました。このような緊急時において、無足場工法は足場設置の時間を要さないため、被災直後からの迅速な応急対策工事が可能です。また、アクセス困難な山間部でも、軽量な機材のみで施工できる利点があります。
 

技術革新と品質向上

近年のドローン技術やAI解析の導入により、法面の詳細調査と最適な鉄筋挿入工の配置設計が可能となっています。これにより、従来の経験則に頼った設計から、科学的根拠に基づく精密な施工計画の策定が実現されています。
 

環境配慮型施工

低騒音:足場組立音の排除

景観保護:大型足場による視界遮断なし

生態系保護:最小限の地形改変

品質管理システム

写真記録:全工程の詳細記録

数値管理:削孔深度・注入量の記録

品質検査:引抜試験による品質確認

「参照:法面工事の安全対策解説」
 

適切な業者選定と品質確保のポイント

鉄筋挿入工の無足場工法は高度な技術と豊富な経験を要するため、適切な業者選定が工事品質に大きく影響します。株式会社エーステックでは、熊本県球磨郡を拠点とした地域密着型の強みを活かし、迅速な対応と確実な施工品質を提供しています。
 
無足場工法による鉄筋挿入工は、熊本県の特殊な地質条件と気候特性に適応した効果的な法面補強技術です。従来工法では困難な急傾斜地や狭小地での施工を可能にし、大幅なコスト削減と工期短縮を実現します。九州地方の自然災害リスクに対応する重要な技術として、今後もその需要は高まっていくと予想されます。
 

採用情報


法面工事は熊本県球磨郡の株式会社エーステックへ|土木作業員、求人中(未経験可)
株式会社エーステック
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