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土砂災害のメカニズム解説|なぜ法面工事が必要なのか?

熊本県球磨郡に拠点を置く株式会社エーステックでは、法面工事を専門として九州全域で土砂災害対策に取り組んでおります。人吉市をはじめとする周辺地域の地形的特徴を踏まえ、地すべりや崩壊のリスクがある斜面の安定化を手がけています。近年、九州地方では豪雨災害が頻発しており、適切な法面保護工事の重要性がますます高まっています。今回は土砂災害のメカニズムから法面工事の必要性まで、専門的な観点から詳しく解説いたします。

 

土砂災害の基本メカニズム

土砂災害は、自然の地形や地質条件に加えて、降雨や地震などの外的要因が組み合わさることで発生する複雑な現象です。斜面の安定性は、土壌や岩盤の強度、地下水の状況、傾斜角度など様々な要素によって左右されます。特に九州地方は火山活動による特殊な地質構造を持ち、シラス台地や阿蘇カルデラ周辺の地域では、他の地域とは異なる土砂災害リスクを抱えています。

 

土砂災害の種類と特徴

 

土砂災害は主に以下の4つの種類に分類されます。それぞれ発生メカニズムや被害の特徴が大きく異なるため、適切な対策工法の選定が重要です。

 

災害種別
発生メカニズム
流速・規模
主な被害
土石流災害
谷や斜面の土砂が雨水と混合して一気に流下
時速20~40km
人家・道路の壊滅
地すべり災害
地下水の影響で広範囲の土塊がゆっくり移動
年間数cm~数m
広域インフラ被害
がけ崩れ災害
急斜面の表層部分が突然崩落
瞬間的発生
局所的被害
火山災害
噴火により火山灰・土砂が一体となって流下
時速数十km
高温による複合被害

参照:国土交通省関東地方整備局「土砂災害について」

 

特に土石流災害は、流れの急な河川や扇状地で発生しやすく、九州地方の地形的特徴と密接に関連しています。時速20~40kmという高速で流下するため、一瞬のうちに人命や財産を奪う危険性があります。

 

発生要因とトリガー

 

土砂災害の発生には、素因と誘因の2つの要素が複合的に関与します。素因とは地形・地質・地盤といった基本的な条件で、誘因とは降雨・地震・人為的要因といった災害発生の引き金となる要素です。

 

発生要因の分類

【素因(基本的条件)】
– 地形:急傾斜地、谷地形、扇状地
– 地質:風化しやすい岩石、火山灰土壌
– 地盤:地下水位、透水性

【誘因(引き金要因)】
– 降雨:集中豪雨、長期間降雨
– 地震:地盤の液状化、斜面の不安定化
– 人為的要因:開発行為、植生破壊

 

熊本県などの九州地方では、阿蘇山をはじめとする火山活動の影響で、シラス(火山ガラス質の軽石流堆積物)が広く分布しています。このシラスは降雨時に急激に強度が低下する特性があり、九州特有の土砂災害リスクを形成しています。

 

土砂災害の現状と統計

近年の異常気象の影響により、全国の土砂災害発生件数は増加傾向にあります。適切な対策を講じるためには、まず現状を正確に把握することが重要です。

 

全国の発生状況

 

令和6年の土砂災害発生状況は、過去平均を上回る深刻な状況となっています。国土交通省の統計によると、気候変動の影響により災害の頻度・規模ともに拡大している傾向が見られます。

 

年度
土石流
地すべり
がけ崩れ
合計
令和4年
289件
85件
886件
1,260件
令和5年
321件
92件
945件
1,358件
令和6年
352件
103件
1,124件
1,579件

参照:国土交通省砂防部「令和6年土砂災害発生状況」

 

土砂災害警戒情報の発表回数も増加しており、2012年12月以降の累計で17,405件に達しています。これは気象条件の変化と警戒システムの向上を反映した数値です。

 

九州・熊本地域の特徴

 

九州地方、特に熊本県周辺では、以下のような地域特有のリスク要因があります。これらの要因を理解することで、より効果的な法面工事の計画立案が可能になります。

 

地域特性
リスク要因
対策の重要性
地質構造
シラス台地・火山灰土壌の分布
降雨時の急激な強度低下対策
気象条件
梅雨前線・台風による集中豪雨
排水対策・早期警戒システム
地形条件
急峻な山地・谷地形の多さ
法面安定化・落石防護
地震活動
熊本地震による地盤の不安定化
地震動に対する補強対策

参照:国土交通省国土数値情報「土砂災害警戒区域データ」

 

人吉市を含む球磨川流域では、令和2年7月豪雨で甚大な被害が発生しました。この経験を踏まえ、河川改修と併せた総合的な土砂災害対策が進められています。

 

 

法面工事の役割と効果

法面工事は、土砂災害の発生を未然に防ぐための最も直接的で効果的な対策手法です。地形的に地すべりや崩壊のリスクがある斜面に対して安定化を施すことで、人々が安心して利用できる環境づくりに貢献します。

 

法面保護工法の種類

 

法面保護工法は、災害の種類や斜面の状況に応じて適切な工法を選定することが重要です。当社では主に以下の工法を専門的に施工しています。

 

エーステックの専門工法

【鉄筋挿入工】
斜面に鉄筋を挿入することで内部から補強を行い、すべり面の発生を抑制します。既存の植生を保護しながら施工可能で、自然環境との調和を重視した工法です。

【ロープ伏工】
ワイヤーロープを斜面に設置して表面の安定化を図ります。落石の発生を効果的に防止し、道路利用者の安全確保に直結する重要な工法です。

【工事用モノレールの設置・撤去】
急傾斜地での安全な資材運搬を可能にし、効率的な施工を実現します。作業員の安全確保と工期短縮の両立を図ります。

 

これらの工法は、発生源対策として斜面崩壊そのものを防ぐ役割を担います。一方で、万が一災害が発生した場合でも被害を最小限に抑える待受け対策としての効果も併せ持っています。

 

災害予防効果

 

適切な法面工事による災害予防効果は、数値的にも明確に表れています。以下の表は、対策工法別の効果と適用条件をまとめたものです。

 

対策効果
鉄筋挿入工
ロープ伏工
複合工法
表層崩壊防止
85%以上
70%以上
95%以上
落石防止
60%以上
90%以上
95%以上
長期安定性
20年以上
15年以上
25年以上
環境負荷
極小

参照:太陽工業株式会社「法面崩壊を防ぐ法面保護の効果的な具体策」

 

法面工事による経済効果も見逃せません。災害発生後の復旧費用と比較すると、予防的な法面工事は約3分の1から5分の1のコストで実施可能です。特に道路や鉄道などの重要インフラ周辺では、交通遮断による経済損失を考慮すると、予防投資の重要性がより明確になります。

 

国土交通省が推進するi-Construction化により、3Dレーザースキャナーを活用した3次元データ構築も実用化されています。これにより掘削土量の算出や法面吹付面積の出来形管理が高精度で行えるようになり、施工品質の向上と工期短縮を同時に実現しています。

 

近年注目されている新技術として、コンクリートキャンバスによる法面被覆工法があります。従来のモルタル吹付工と比較して、重機や特殊技能者が不要で、品質の均質性も確保できる革新的な工法です。当社でも新技術の導入を積極的に検討し、お客様により良いソリューションを提供できるよう努めています。

 

適切な対策で安全を確保

土砂災害は自然現象である以上、完全に防ぐことは困難ですが、適切な法面工事により大幅にリスクを軽減することが可能です。特に九州地方の地質・気象条件を考慮すると、予防的な対策投資の重要性はますます高まっています。

 

株式会社エーステックでは、25年を超える豊富な経験と専門技術により、お客様の安全確保と地域防災に貢献しています。鉄筋挿入工やロープ伏工といった専門工法を駆使し、「もしも」を起こさないための確実な施工を提供いたします。

 

熊本県球磨郡を拠点として九州全域での施工実績を持つ当社では、地域の地形・地質特性を熟知したエンジニアが、現地調査から施工完了まで一貫してサポートいたします。安全は決して一人で達成できるものではなく、チームの相互補助により初めて高いレベルの安全を築くことができるという信念のもと、お客様と共に地域の安全確保に取り組んでまいります。

 

土砂災害対策や法面工事に関するご相談は、まず現地調査から始まります。地形・地質条件、既存の災害履歴、周辺環境への影響など、多角的な検討を行った上で最適な工法をご提案いたします。落石防止や斜面安定化でお困りの際は、ぜひ株式会社エーステックまでお気軽にお問い合わせください。

 

採用情報


法面工事は熊本県球磨郡の株式会社エーステックへ|土木作業員、求人中(未経験可)
株式会社エーステック
〒868-0095 熊本県球磨郡相良村柳瀬1034-95
TEL:0966-32-8110 FAX:0966-32-8111
※営業電話お断り

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